ここでは、本番の意味を限定し、主にアダルトビデオなどのセックス行為を描写する写真・動画や映像での特殊な用語として「
本番とは」に言及することを、まずお断りしておきたい。その前提の下で、アダルト動画を振り返ってみよう。黎明期であるロマンポルノやピンク映画の時代には、オナニー程度で激しい絡みのセックス描写は控えめであった。いわゆるベッドシーン程度の内容だったのである。しかし、’70〜80年代に、ビデオが一般に普及し始めてからは、エロビデオの氾濫が始まった。しかし初期のビデオでは、
オナニー セックスを描くといってもビデ倫などの管理下のもとでモザイクが必要であり、監督やビデオメーカー、AV女優や男優としても本番行為を別にする必要もなく、擬似本番や擬似オナニー・ついでながら擬似射精やゴムフェラで十分であった。しかし・である。愛好者は、その擬似を見抜く目を持ち、またアングラの裏ビデオ流出によってわかった擬似に失望する声もあってのことか、よりリアリティのある演技が求められるようになってきた。そのような状況では当然の流れか、明らかに勃起しているペニス(ちんちん・珍ポ)を女陰(お万こ)に挿入する動画を、「本番」と銘打って売りにする映像作品が多く発売されるように主流に変わった。そして、次第に他のAV映像制作メーカーや販売会社によって本番ビデオが多く制作され、現在のAVでは素人AVでさえも本番が主流になり、本番行為にもはやバリューは存在しなくなった。おそらく、一部の
フェチ 動画を除く相当数のAV作品が、本番による演技を行っていると考えられる。また、映像作品においての本番は「演技・演出」とされ、いわゆる売春には相当しないとされている。
視点を変えて、風俗における本番を考えてみよう。むろん、売春としてのセックスが禁止されていることはつとに知られているが、風営法前などには一部の例外を設けていたことなど、時代によって色々と変わってゆく面があることを念頭におかれたい。昔、ストリップを見せる
ストリップ劇場では、踊りやオナニー以外のショーとして、生板本番(まな板ショー・マナ板ショー)や白黒本番ショーなどの本番が行われていた。これはストリップの例だが、他の風俗営業でも、交渉・風俗嬢の好意や情けによって、本番が行われることもあったことは想像に難くない。近年では、主婦や学生による援助交際などの一般社会での売買春の話も聞く。これらの私的な売春行為は重く処罰される。近年では、男性も女性も性病などの知識も持つようになり、本番そのものが風俗営業で語られることは少なくなった。また、経済的な面や、動画配信やマンガやアニメなどの文化やメディアの広がりによってオナニーで十分な環境であることからも、本番という言葉は徐々に廃れていくのではないだろうか。